
外国人の友人に味噌を出したとき、「これは英語で何て言うんだろう」と一瞬言葉に詰まった経験はないでしょうか。結論から言えば、味噌は英語でも「miso」でそのまま通じることが多く、意味まで伝えたいときは「fermented soybean paste(発酵させた大豆のペースト)」と補います。この記事では、その核となる言い方から、種類・原料・味噌汁の英語まで、そのまま使える例文とともに見ていきます。
味噌は英語で「miso」?まず押さえたい2つの言い方
味噌を英語で言うとき、覚えておきたいのは2つの表現です。
ひとつは「miso(ミソ)」。日本語がそのまま英語になった外来語で、CambridgeやCollinsといった英語辞書にも見出し語として収録されています。相手が和食に親しんでいれば、「miso」と言うだけでそのまま通じることが多い言葉です。
もうひとつが「fermented soybean paste(ファーメンテッド・ソイビーン・ペースト)=発酵させた大豆のペースト」です。これは単語というより、味噌が何であるかを伝えるための説明の言葉にあたります。「miso」を知らない相手には、この一言を添えると意味がぐっと伝わりやすくなります。
使い分けはシンプルです。味噌を知っている相手には「miso」でOK。初めて聞く相手には「fermented soybean paste」を添える、と考えておけば困りません。たとえば、こう言えます。
“It’s called miso.”(これは味噌といいます)
“Miso is a fermented soybean paste.”(味噌は発酵させた大豆のペーストです)
「miso」は必ず通じると断言はできませんが、和食が世界に広まった今、そのまま伝わる場面はかなり増えています。単語が分かったら、次は一文で説明する言い方を見ていきましょう。
外国人に味噌を英語で説明する言い方(そのまま使える例文)
相手が味噌をまったく知らないとき、どこまで説明するかは会話の流れ次第です。ここでは短いものから順に、そのまま使える3つの言い方を紹介します。
まず、いちばんシンプルな一言。
“Miso is a fermented soybean paste.”
(味噌は発酵させた大豆のペーストです)
もう少し詳しく、味噌がどんな調味料かまで伝えたいときは、こう続けられます。
“Miso is a traditional Japanese seasoning made by fermenting soybeans with salt and koji. It has a rich, savory, umami flavor.”
(塩と麹で大豆を発酵させた、日本の伝統的な調味料です。深いコクとうま味があります)
相手が食材のイメージをつかみにくそうなら、身近な食品にたとえるのもひとつの手です。
“It has a texture a bit like peanut butter, and a deep savory taste.”
(ピーナッツバターに少し似た質感で、深いうま味があります)
ただし、このたとえはあくまで質感や方向性の目安です。「味噌=ピーナッツバターと同じもの」というわけではないので、”a bit like(少し似ている)” のように、ゆるく伝えるのがちょうどよい言い方になります。
説明の長さは、相手の反応に合わせて調整するのがコツです。「知ってるよ」という相手には最初の一言で十分ですし、興味を持ってくれた相手には、麹や発酵の話まで広げていくと会話が弾みます。次は、味噌の「種類」を聞かれたときの答え方です。
味噌の種類を英語で言う|色で分ける?原料で分ける?
味噌の種類を英語で説明するときに、少し面白いのが「分け方の軸が日本と英語圏で違う」という点です。

英語圏では、味噌を「色」で呼ぶことが一般的です。白味噌は white miso(shiro)、赤味噌は red miso(aka)、複数を合わせたものは mixed miso(awase)。中間色のものを yellow miso と呼ぶこともあります。
一方、日本では「原料(何の麹を使うか)」で分けるのが基本です。農林水産省の分類でも、米味噌(rice miso/kome)、麦味噌(barley miso/mugi)、豆味噌(soybean miso/mame)と、原料をもとに整理されています。
つまり、同じ味噌でも「色で言うか、原料で言うか」で呼び名が変わるわけです。英語で説明するときは、相手になじみのある「色」で伝えたほうがイメージしてもらいやすい場面もあります。
比較表にすると、対応関係がつかみやすくなります。
| 日本語 | 英語 | 分類軸 | 味わいの傾向(目安) |
|---|---|---|---|
| 白味噌 | white miso (shiro) | 色 | まろやかで熟成が短めのものが多い |
| 赤味噌 | red miso (aka) | 色 | 濃厚でコクが深めのものが多い |
| 合わせ味噌 | mixed miso (awase) | 色 | 複数の味噌を合わせたもの |
| 米味噌 | rice miso (kome) | 原料 | 日本で最も広く使われている |
| 麦味噌 | barley miso (mugi) | 原料 | 香ばしさが感じられる |
| 豆味噌 | soybean miso (mame) | 原料 | 濃厚でコクがある |
ひとつ気をつけたいのは、white miso=甘口、red miso=辛口、と単純に結びつけないことです。色は熟成の長さや原料の影響で変わるもので、甘い・辛いをそのまま表す指標ではありません。表の味わいはあくまで傾向の目安として捉えてください。種類が分かったら、次はそもそも味噌が何からできているのか、原料の英語を見ていきます。
原料・発酵・旨みを英語で言う|説明に役立つ単語集
味噌の説明をもう一歩深めたいとき、原料や作り方にまつわる単語を知っておくと会話が広がります。

主な原料は、大豆が soybeans(ソイビーンズ)、塩が salt(ソルト)、そして麹が koji(コージ)です。麹は英語でもそのまま「koji」で通じることが多く、補足するなら “a starter culture(発酵をうながす種)” のように説明できます。米味噌や麦味噌の話をするなら、米は rice、麦は barley です。
作り方に関わる言葉としては、発酵させることを ferment(ファーメント)、発酵そのものを fermentation、熟成を aging(エイジング)と言います。
そして味わいを表す言葉が umami(ウマミ)と savory(セイヴォリー)です。umami は「旨み」がそのまま英語になった外来語で、こちらも辞書に収録されています。savory は「うま味のある、塩気のきいた」といった意味合いで使われます。
これらをつなげると、こんな一文になります。
“Miso is made by fermenting soybeans with koji and salt, and the fermentation creates its deep umami flavor.”
(味噌は、大豆を麹と塩で発酵させて作られ、その発酵が深いうま味を生み出します)
麹と塩の働きで大豆がゆっくり発酵し、そこから独特の旨みが生まれる。この「発酵が味をつくる」という点は、味噌を説明するときにいちばん伝えたい面白さかもしれません。単語を並べるだけでなく、こうした仕組みを一言添えると、味噌の奥深さが自然に伝わります。味噌そのものが分かったら、いよいよ説明する機会の多い「味噌汁」の英語です。
味噌汁や味噌料理を英語で伝える
味噌を説明する場面でいちばん登場するのは、やはり味噌汁ではないでしょうか。
味噌汁は英語で miso soup(ミソ・スープ)です。こちらも世界的にそのまま通じる言葉として広まっています。一緒に使うことの多い「だし」は dashi と言います。
味噌汁がどんなものかを説明するなら、こんな言い方ができます。
“Miso soup is a Japanese soup made by dissolving miso in dashi, a Japanese stock. It often has tofu, seaweed, and green onions.”
(味噌汁は、だし(日本のスープのもと)に味噌を溶いて作る日本の汁物です。豆腐やわかめ、ねぎが入っていることがよくあります)
味噌はスープ以外にもいろいろな料理に使えます。英語では、汁物のベースとしての soup、肉や魚を漬ける marinade(漬け地)、照りを出す glaze、そして dressing(ドレッシング)といった言い方があります。「こんな使い方も英語で言えるんだ」という引き出しとして知っておくと便利です。
ちなみに、日本各地の味噌を扱う味噌らーめん専門店の田所商店のように、味噌は地域ごとに個性のある食材です。そうしたお店で味わう一杯も、味噌汁として出せば英語では同じく “miso soup” と伝わります。日々親しんでいる味噌が、そのまま英語圏でも通じる言葉になっているのは、少し不思議で面白いところです。
もう少し知っておきたい「味噌と英語」のこと
本文で触れきれなかった細かい疑問を、いくつか補っておきます。
「miso」だけで本当に通じる?
多くの場面ではそのまま通じます。ただ、相手が味噌を初めて聞くようなら、”fermented soybean paste” を添えると確実に伝わります。
「soybean paste」を1語で言い表せる?
決まった1語の訳はありません。”miso” か “fermented soybean paste” が、いちばん自然な言い方です。
「umami(旨み)」は英語でも通じる?
umami は英語辞書にも収録された外来語で、そのまま通じます。味噌の説明で旨みに触れたいときに使いやすい言葉です。
色(white/red)で甘さは分かる?
色は熟成や原料の影響を受けるもので、甘い・辛いを一律に表すわけではありません。色だけで味を判断せず、目安として捉えるのがよいでしょう。
まとめ
味噌は英語で「miso」と言えば多くの場面で通じ、意味を補うなら「fermented soybean paste」。種類は色でも原料でも言い分けられ、味噌汁は「miso soup」です。こうして英語にしてみると、味噌には色・原料・発酵と、語れることがたくさんあると気づきます。次に誰かへ味噌を紹介するときは、正しい言葉と一緒に、地域ごとに個性がある味噌の奥深さにも、少し目を向けてみてください。
参考文献
- 農林水産省「醤油、味噌、その他調味料|にっぽん伝統食図鑑」
- Cambridge Dictionary / Collins English Dictionary「miso」「umami」
- 田所商店 公式サイト
- MasterClass / Uwajimaya / byfood「What is Miso / Types of Miso」
- Just One Cookbook「Homemade Miso Soup」






